王と鳥
気をつけたまえ。この国は今、罠だらけだからな。
このあいだ、「王と鳥」を見てきました
高畑勲、宮崎駿が影響を受けたという映画…
私は「カリオストロの城」が大好きなのですがこの映画の影響というか、パクリというか、オマージュみたいなところがあると聞いて実はそこに興味を持って見に行ったのです。
でも、確かに城のデザイン、エレベーターのデザインなどカリストロとまったく同じなところはあったのですが別物でした(あたりまえか…)
それどころか、久々にアニメ映画を見て衝撃を受けました。
パンフレットによるとこの映画は当初「やぶにらみの暴君」として1952年発表されるのですが、実はその映画は監督や他スタッフをお金や時間がかかりすぎるといった理由で解雇しプロデューサーが監督、脚本家の意に反して発表したものだったのです。
監督のポール・グリモーと脚本家のジャック・プレベールは執念の末1967年作品の権利とネガフィルムを取り戻し、意に反するところをリメイクしたり追加したりして1979年にやっと「王と鳥」として完成させたそうな・・・。
これだけでもすごいと思う。30年かけても自分の作品にかける執念。
まあ、それはさておき内容も絵もとっても感動する映画だったのでぜひおすすめです。
メッセージ性が強いのでアニメとはいえ大人が見てもOK。というか大人しかお客いなかったけどね(笑)たかがアニメと思うなかれ!されどアニメですよ!!
東京は22日までですよー。
以下はネタバレなしだけど個人的な感想です。
アニメ映画なのですがそんな昔の作品とは思えないほどよく動いていてとてもキレイです。
あと煙突掃除の男の子と羊飼いの女の子が城の中を駆け回るのですが、「ico」というゲームを思い出しました。「僕はこの手を離さない・・・」ってやつ。
あとねー・・この女の子がエロい
別にたいしたセリフもなく男の子に引っぱられて逃げてるだけなんだけどちょっとした仕草がエロい(笑)女の子だけちょっと違う世界みたいだもん。一人だけ色彩違く見えるw
リメイクして一番違う点はラストシーンだとか。
「やぶにらみの暴君」は見てないけどあのラストシーンがないなんてやはり作り変えてよかったと思います。
だって、一番メッセージ性の高いシーンだったもんね。
いやーほんと30年かけても作り直したってすごいと思う。
物を作る仕事をするという事は、スポンサーやクライアントなど「お金」を出す人がいて、時に「儲ける」ということと「造る」という事が噛みあわなくなる。
アートという活動以外の「仕事」という場合、ほとんどの場合「自分の思うように造る事」は二の次でスポンサーやクライアントの意見が第一になる。あきらめなくてはならない場合が必ずある。
でもそれは仕事だったらめずらしいことではないのだ。というか、それが仕事なのだ。
そして、それ事自体に麻痺してくる。
そんなことを考えながらこのパンフレットの製作経緯を読んだら感慨深いものがありました。
物を作る人ってこうあるべきなのかもねぇ・・
自分の仕事でそれができるかって言われたらなかなか難しいですが(;´Д`)
by k-z-ki
| 2006-09-14 01:06
| 映画